月経の悩み

月経の問題はなかなか他人には相談しにくいものです。
月経痛、月経不順、無月経、出血過多・過少、月経時不定愁訴、月経時ウツ、
その他いろいろあって、きりがありません。
私自身も月経不順と無月経がありました。
無月経に関しては4年間も続きました。
師匠の山内先生に出会って鍼を始めてから少しずつ解決していきました。
私は薬剤師で、薬害・副作用はよく知っていますから、薬で病気を治すことに抵抗があります。
その点、鍼治療は不安のない治療でした。

ある患者さんが月経の相談に見えたのは１４年ほど前です。
現在彼女はすっかり治ってしまったので、治療に来るのは年に数回です。
健康維持のための治療です。
しかし治療を始めた１４年前は信じられない状態でした。
月の半分以上は月経なのです。
それもものすごい出血量。
最低１時間に１度トイレに行かなければならない状況です。
一泊旅行などに行く時は旅行バッグの中はほとんどナプキンという有様でした。
そして深刻だったのは多量出血による貧血でした。
一日の終わりになると、目がかすんでよく見えなくなるほどだったのです。
それは彼女がまだ中学生だったころから始まっていたのです。
彼女はいつも「何故みんなはスポーツが出来るんだろう」と、
不思議に思っていたそうです。
だって、彼女は重度な月経の為にそんな余裕がなかったからでした。
そんな辛い青春時代をただ我慢して過ごしていたのでした。
私が彼女に出会ったのは１４年前です。
彼女はすでに３０代になっていました。
そして鍼治療をはじめたのです。
それまでの間、彼女は非常に大変な月経と毎月なんとか付き合ってきていたのです。

治療を始めて一か月、二か月、半年、一年・・・と続くと、彼女は
「何でこんなに楽なのッ?」
と、信じられなかったそうです。
「これなら、私にもスポーツができるッ!!」
と、感動して思ったそうです。
「これまでの月経は、いったい、何だったの?」
「目もしっかり見える！」
そして生きるエネルギーのようなものがこみ上げてきたそうです。

もし彼女ともっと早くに出会えていたら、と私は思います。
彼女の人生は変わっていたかもしれないと。